長男が大分へ旅立つ朝、引っ越しのために一緒に車で西へ向かった。湯布院で一泊。コロナウイルスの影響でキャンセルが相次いでいるらしく、宿はガラガラだった。僕たちは宿のスタッフのご好意で、部屋に露天風呂がついている部屋に泊めてもらった。こんな時期だけれどできるだけ満足して帰ってほしいという気持ちが伝わってきて、ありがたかった。翌日長男を大分で降ろし、入寮の手続きと荷物の搬入を済ませて、最後の夕食を一緒に取った。
大分での夜を過ごした後、日田の江副さんのところに寄った。フェイスブックでも何度か紹介しているが、江副さんは事業プロデュースなどを手がけるプロデューサーで、川釣りを専門とする趣味人でもある。忙しい江副さんに無理を言って、近くの川に連れて行ってもらった。表向きは次男にフィールド遊びの面白さを知ってもらいたいからなのだけれど、むろん、僕も九州の川に触れてみたかったのだ。次男は江副さんにくっついて石の間を飛びまわり、江副さんも丁寧にそこに棲むトビゲラなどの生き物や、これを食べる魚たちのこと──リアルな自然科学の入り口を次男に教えてくれた。
夏に必ず遊びに来よう。僕は次男と約束した。1週間ぐらいこの辺りを転々とキャンプしたいなあ。机の上の勉強も大事だけれど、このようなフィールドで知るさまざまな自然の摂理が、より「生きる」ことに関して重要な学びをもたらしてくれるように僕は思う。最近のコロナウイルス蔓延に際して政府への不平不満も出やすいが、最終的には一人ひとりがどう生きるかを自分で判断することに尽きる。誰かのせいにしても永遠に幸せにはなれない。この川のような場所で経験値を積み上げよう。それは何か異変が訪れた時にこそ生きてくる。
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